育児休業を取ると、収入が減ってしまうのではないかと心配していませんか?
実は、育児休業給付金が80%に引き上げられる可能性があります。
これは、育児休業中に給料とほぼ同額のお金がもらえるということです。
これは本当なのでしょうか?どうすれば受け取れるのでしょうか?
この記事では、育児休業給付金の80%引き上げについて、シミュレーターを使って分かりやすく解説します。
育児休業制度の改正内容やメリットも詳しく紹介します。育児休業を取得するか検討している人やすでに取得している人は必見です。
この記事は、自身もがん経験者の日本FP協会認定AFPである、ファイナンシャルプランナーの筆者が監修しています。
はじめに:育児休業給付金の80%引き上げのニュースや背景
育児休業とは、子どもが生まれたり、保育園に入れなかったりしたときに、仕事を一時的にやめて子育てに専念できる制度です。
育児休業中は、会社から給料はもらえませんが、国から育児休業給付金というお金が支給されます。
これは、休業前の給料の一部を補ってくれるものです。
現在、育児休業給付金は、休業前の給料の67%(6か月まで)または50%(それ以降)が支給されます。
しかし、2023年10月から、この給付金が80%に引き上げられる可能性があります。
これは、政府が少子化対策として検討している案です。
少子化対策としての育児休業給付金の引き上げ
日本では、出生率が低下し続けています。
出生率とは、1人の女性が一生に産む子どもの平均数です。
出生率が低いと、将来的に人口が減ってしまいます。
人口が減ると、経済や社会に悪影響が出ます。
例えば、働く人が少なくなって税収が減ったり、高齢者の介護や医療に必要な人やお金が足りなくなったりしまうのです。
政府は、この問題を解決するために、少子化対策を行っています。
少子化対策とは、子どもを産みやすく育てやすくするための政策です。
例えば、保育園の増設や無償化、子ども手当の支給などがありますね。
育児休業給付金の引き上げも、少子化対策の一つです。
政府は、育児休業給付金を80%に引き上げることで、以下の効果を期待しています。
- 育児休業を取得する人が増えることで、子どもとの時間が増える。
- 育児休業中の収入が増えることで、経済的な負担が減る。
- 育児休業中のキャリアの途切れが少なくなることで、仕事への復帰がしやすくなる。
- 夫婦で育児休業を分けて取得することで、家事や育児の分担がしやすくなる。
これらの効果は、子どもを産む意欲や子育ての満足度を高めることにつながります。
また、女性の社会進出や男性の家庭参加も促進されますよね。
これらは、少子化対策に有効なことと考えられます。
80%引き上げの対象者と条件
育児休業給付金の80%引き上げは、令和4年10月1日以降に開始する育児休業について適用される予定です。
ただし、すべての人が80%を受け取れるわけではありません。
以下のような対象者と条件があります。
- 対象者は、正社員や契約社員などの雇用保険に加入している人です。
パートやアルバイトなどの短時間労働者は対象外です。 - 条件は、育児休業開始前6か月間の賃金日額が平均1万円以上であることです。
平均1万円未満の場合は、現行制度と同じ67%または50%が支給されます。
また、80%引き上げは、最初の6か月間だけ適用されます。
それ以降は、現行制度と同じ50%に戻ります。
育児休業給付金は、最長1年間受け取ることができます。
シミュレーターの使い方:育児休業給付金がどれだけ増えたかを簡単に計算できる
このシミュレーターは、このサイトのオリジナルです。
以下の手順で使ってみましょう。
- 子どもの番号(例:長男=1、次女=2)という入力欄に、あなたが育児休業を取得する子どもの順番を入力します。
例えば、長男なら1、次女なら2と入力します。 - 今回の支給回数(例:初めて=1、2回目=2)という入力欄に、あなたが育児休業給付金をもらう回数を入力します。
例えば、初めてもらう場合は1、2回目にもらう場合は2と入力します。 - 休業開始時賃金日額(円)という入力欄に、あなたが仕事を休む前にもらっていた給料の1日あたりの額を入力します。
例えば、月給20万円だった場合は、20万円÷20日(平均勤務日数)=1万円となります。 - 育児休業期間(日)という入力欄に、あなたが仕事を休む予定の期間を入力します。
例えば、6か月間休む場合は、6か月×30日(平均日数)=180日となります。 - 計算というボタンをクリックします。
すると、今までの制度でのお金、新しい制度でのお金、今までの制度での手取り額、新しい制度での手取り額がそれぞれ表示されます。
これで、育児休業給付金が増えたことで、どれだけ収入が変わるかが分かります。
シミュレーターは何度でも使うことができます。違う条件で試してみてもいいでしょう。
シミュレーターの結果:新しい制度で収入が大幅に増える
それでは、実際にシミュレーターを使ってみましょう。
以下は、子どもの番号が1(長男)、今回の支給回数が1(初めて)、仕事を休む前の給料が20万円、休む期間が6か月という条件で計算した例です。
この例では、今までの制度でのお金は、1万円×67%×180日=1,206,000円です。
新しい制度でのお金は、1万円×80%×180日=1,440,000円です。
つまり、新しい制度では、今までの制度よりも234,000円も多くもらえることになります。
また、今までの制度での手取り額は、1,206,000円×(1-10%-10%)=866,160円です。
新しい制度での手取り額は、1,440,000円×(1-10%-10%)=1,036,800円です。
つまり、新しい制度では、今までの制度よりも170,640円も多く手元に残ることになります。
このように、シミュレーターで計算すると、育児休業給付金が増えたことで、収入が大幅に増えることが分かります。
これは、仕事を休んで子育てをする人にとって大きなメリットです。
改正後の制度のメリット:育児休業が取りやすくなる
育児休業給付金が80%に引き上げられると、収入が増えるだけでなく、育児休業が取りやすくなるというメリットもあります。
以下に、改正後の制度のメリットをいくつか紹介します。
育児休業中のキャリアの途切れが少なくなる
育児休業を取得すると、仕事から離れる期間が長くなります。
そのため、復帰後にキャリアに影響が出ることがあります。例えば、スキルや知識が陳腐化したり、昇進や昇給のチャンスを逃したりすることがあります。
しかし、育児休業給付金が80%に引き上げられると、この問題は緩和されます。
なぜなら、給料とほぼ同額のお金がもらえることで、育児休業中に自己研鑽や資格取得などに投資することができるからです。
また、収入が減らないことで、復帰後に同じレベルの仕事に戻りやすくなります。
夫婦で育児休業を分けて取得することがしやすくなる
育児休業は、夫婦で分けて取得することができます。
例えば、妻が最初の6か月間取得し、その後に夫が6か月間取得することができます。
これは、子どもとの時間を増やしたり、家事や育児の分担をしたりすることに役立ちます。
しかし、現行制度では、夫婦で育児休業を分けて取得することに抵抗感を持つ人も多いです。特に男性は、収入が減ることや仕事への影響を心配したり、周囲からの風当たりを恐れたりすることがあります。
しかし、育児休業給付金が80%に引き上げられると、この問題も緩和されます。
なぜなら、収入が減らないことで経済的な負担が減り、仕事への復帰もしやすくなるからです。
また、男性も女性も同じ条件で育児休業を取得できることで、社会的な理解も広まる可能性があります。
まとめ:育児休業給付金の80%引き上げで子育てが楽になる
この記事では、育児休業給付金の80%引き上げについて、シミュレーターを使って分かりやすく解説しました。
シミュレーターで計算すると、育児休業給付金が80%引き上げられると、収入が大幅に増えることが分かります。これは、育児休業を取得する人にとって大きなメリットです。
また、改正後の制度では、育児休業中のキャリアの途切れが少なくなったり、夫婦で育児休業を分けて取得することがしやすくなったりするというメリットもあります。
これらのメリットは、子どもを産む意欲や子育ての満足度を高めることにつながります。
育児休業給付金の80%引き上げは、令和4年10月1日以降に開始する育児休業について適用される予定です。
ただし、すべての人が80%を受け取れるわけではありません。対象者や条件に注意してください。
相次ぐ物価上昇や、税金額の増加で、子育て世帯や、子どものいない夫婦にも厳しい時代となっています。
私も子を持つ親として、その厳しさは実感してます。
ですが、子どもを持って育てるということは大変意義のあることです。
子供のいない人生を選択することも悪くはありませんが、今回の様な子育て世帯に優しい政策で、一人でも子を持ちたいと思う方が増えるのを願っております。
大変な子育てですが、できる限り休みながら、楽しんでいきましょう。
スポンサーリンク
コメント一覧表示