病気やケガで会社を休んだことはありませんか?
そんなときに、生活費や医療費などのお金の心配を少しでも減らしてくれるのが、健康保険からもらえる傷病手当金です。
傷病手当金とは、病気やケガで会社を休んで、会社から十分なお給料がもらえないときに、代わりに支払われるお金のことです。
でも、傷病手当金は自動的にもらえるわけではありません。
もらえる条件や期間、額などを知っておく必要があります。
また、傷病手当金は他のお金との関係もありますので、注意が必要です。
この記事では、傷病手当金について詳しく説明し、自分のもらえる額を確認できる傷病手当金シミュレーターも紹介します。病気休業時の給与補償と注意点を知っておきましょう。
この記事は、自身も40代で突然「がん」と診断された経験を持つ、日本FP協会認定AFPが監修しています。
傷病手当金がもらえる条件とは?
傷病手当金がもらえる条件は、次の(1)から(4)のすべてです。
- (1)仕事以外 仕事以外の理由で病気やケガをしたときです。
仕事中や通勤中に病気やケガをしたときは、別の制度である労災保険からお金がもらえます。
また、病気と見なされないもの(美容整形など)は対象外です。 - (2)仕事に行けないこと 仕事に行けないことは、医者や看護師などの専門家の意見を参考にして判断されます。
自分で診察を受けた場合でも、仕事に行けないことを証明する書類があれば対象です。
また、自宅で治療している期間も対象です。 - (3)連続する3日間を含み4日以上仕事に行けなかったこと 仕事以外の理由で病気やケガをした日から数えて3日間(待ち期間)が過ぎたあと、4日目以降の仕事に行けなかった日に対してお金がもらえます。
待ち期間には、有給休暇や土日・祝日などの休みの日も含まれます。
つまり、給料が出たかどうかは関係ありません。
また、仕事中に仕事以外の理由で病気やケガをした場合には、その日を待ち期間の初日として数えます。 - (4)休んだ期間について給料の支払いがないこと 傷病手当金は、病気やケガで休んでいる期間について生活を助ける制度なので、給料が出ている間は、傷病手当金はもらえません。
ただし、給料が出ていても、傷病手当金の額よりも少ない場合は、その差額がもらえます。
任意継続被保険者という特別な制度で健康保険に入っている期間中に病気やケガをした場合は、傷病手当金はもらえません。
傷病手当金がもらえる期間とは?
傷病手当金がもらえる期間は、お金をもらい始めた日から数えて1年6か月です。
同じ病気やケガに関する傷病手当金のもらえる期間が、お金をもらい始めた日から数えて1年6か月に達する日まで対象です。
もらえる期間中に途中で仕事に行けるようになったり、お金がもらえない期間があったりする場合には、お金をもらい始めた日から数えて1年6か月を超えても、残りの期間分は繰り越してもらえます。
この制度は、2022年1月1日から始まります。
2021年12月31日までにお金をもらい始めた場合は、これまでどおりお金をもらい始めた日から最長1年6か月です。
傷病手当金の額の計算方法は?
傷病手当金の額は、自分の給料の平均額の2/3です。
自分の給料の平均額は、お金をもらい始める前の12か月分の給料を合計して平均した額です。
ただし、お金をもらい始める前の12か月分の給料がない場合や少ない場合は、別の方法で計算します。
傷病手当金の額を知りたいときは、傷病手当金シミュレーターを使うと便利です。
傷病手当金シミュレーターとは、この当サイト記事上で自分の受給額を確認できるツールです。
下記からご自由にご使用ください。
公的サイト傷病手当金シミュレーター関連リンク
こちらのサイトでは、自分の給料や休業日数などを入力すると、傷病手当金の受給額や支給期間を計算してくれます。
また、他のお金との関係や注意点なども詳しく説明してくれます。
傷病手当金と他のお金との関係とは?
傷病手当金は、他のお金との関係で支給が止まったり(支給停止)、減ったり(支給調整)する場合があります。
以下に、主な場合を説明します。
- 傷病手当金と出産手当金がもらえるとき 出産手当金とは、出産した女性がもらえるお金のことです。
傷病手当金の額が出産手当金の額よりも多ければ、その差額をもらえます。 - 傷病手当金と老齢年金・障害年金・障害手当金がもらえるとき 老齢年金・障害年金・障害手当金とは、年齢や障害によって働くことができなくなった人がもらえるお金のことです。
傷病手当金をもらっている人がこれらのお金をもらうようになった場合は、傷病手当金はもらえません。
ただし、これらのお金の額の360分の1が傷病手当金の額よりも低い場合は、その差額をもらえます。 - 傷病手当金と労災保険がもらえるとき 労災保険とは、仕事中や通勤中に病気やケガをした人がもらえるお金のことです。
傷病手当金をもらっている人が労災保険からお金をもらうようになった場合は、傷病手当金はもらえません。
ただし、労災保険からのお金の額が傷病手当金の額よりも低い場合は、その差額をもらえます。
まとめ
傷病手当金は、病気やケガで会社を休んで、会社から十分なお給料がもらえないときに、代わりに支払われるお金です。
しかし、傷病手当金は自動的にもらえるわけではありません。
もらえる条件や期間、額などを知っておく必要があります。
また、傷病手当金は他のお金との関係で支給が止まったり減ったりする場合があります。
傷病手当金について詳しく知りたいときは、傷病手当金シミュレーターを使ってみましょう。
傷病手当金シミュレーターでは、自分の受給額や支給期間を確認できます。
また、他のお金との関係や注意点なども詳しく説明しています。
この記事では、傷病手当金についてわかりやすく説明しました。
病気休業時の給与補償と注意点を知っておきましょう。
私のように前触れもなく、健康だった身体が、40代で突然がんに成ってしまうこともあります。
そんな時、傷病手当金は助かりますよね。
しっかりと理解して病気回復の助けにしてください。
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