育児休業を取得すると、国から育児休業給付金が支給されますが、その受給額は一体どのくらいなのでしょうか?
育児休業中の収入減少は、家計に大きな影響を与えますよね。
受給額を事前に知っておけば、予算や計画を立てやすくなりますよ。
しかし、受給額は、休業開始時賃金日額や休業期間などによって異なります。
また、2023年4月からは、育児休業給付金の最低支給率が80%に引き上げられる可能性がありますが、まだ正式に決まったわけではありません。
そこで、この記事では、現在の制度下での育児休業給付金の受給額を簡単に計算できる[シミュレーター]の使い方と、2023年から変わる可能性がある支給率や受給額について紹介します。
このシミュレーターは、賃金月額と休業開始日と終了日をカレンダーで選ぶだけで、現在の67%と50%の育児休業給付金の支給率と月額が表示されます。
2023年から変わる可能性がある支給率や受給額については、別の情報源を参考にする必要があります。
育児休業を取得する予定の方は、ぜひ参考にしてください。
第1章:育児休業給付金シミュレーターで自分の受給額を簡単に確認しよう
育児休業給付金シミュレーターは、自分が育児休業を取ったら、どのくらいお金がもらえるかを計算できる便利なツールです。
このシミュレーターは、[こちら]にあります。使い方はとても簡単です。
以下の手順で試してみましょう。
- シミュレーターのページに行きます。
- 画面にある「賃金月額」というところに、自分の月にもらえるお給料の金額を入れます。例えば、30万円もらっている人は、「300000」と入れます。
- 画面にある「休業開始日」というところに、自分が育児休業を始める日をカレンダーで選びます。例えば、2023年4月1日から始める人は、「2023/04/01」と選びます。
- 画面にある「休業終了日」というところに、自分が育児休業を終わる日をカレンダーで選びます。例えば、2024年3月31日まで取る人は、「2024/03/31」と選びます。
- 画面にある「計算する」というボタンを押します。
- すると、画面に「育児休業給付金の月額」という数字が出てきます。これが、自分が育児休業中にもらえるお金の金額です。
注意点としては、このシミュレーターは、現在の制度で計算されています。
現在の制度では、育児休業給付金の支給率は67%と50%です。つまり、自分のお給料の半分くらいしかもらえません。
しかし、2023年4月からは、支給率が80%に上がるかもしれません。これは、政府や国会が決めることなので、まだ確かではありません。
もし支給率が80%に上がったら、自分のお給料の8割くらいもらえます。でも、上限額というものがあります。上限額とは、もらえるお金の最大額です。上限額は、自分のお給料や休業期間などによって変わります。具体的な上限額については、[こちら]を見てください。
育児休業給付金シミュレーターは、このサイトオリジナルツールです。
現在のシミュレーションにご自由にお使いください。
育児休業給付金残り給付可能期間シミュレーター
育児休業給付金残り給付可能期間シミュレーターでは、育児休業開始からいつまで受給可能か計算できます。
自分の状況に合わせて、受給期間をシミュレーションできるこのサイトオリジナルツールです。
ブックマークしてご活用ください。
第2章:育児休業給付金とは
育児休業給付金とは、育児休業を取得した労働者に対して、国から支払われる給付金のことです。
育児休業とは、子供が1歳6ヶ月になるまで(障害がある場合は3歳まで)取得できる休暇のことです。
育児休業中は、雇用保険から育児休業給付金が支払われます。
この給付金は、育児休業中の収入減少を補うためのものです。
育児休業給付金の受給資格
育児休業給付金を受け取れるのは、以下の条件をすべて満たす労働者です。
- 1歳未満の子供を養育するために育児休業を取得する
- 現在企業に雇用されて働いており、雇用保険に加入している
- 育児休業を開始した日からさかのぼって2年間に、雇用保険の被保険者期間が12ヵ月以上(1ヵ月のうち11日以上働いた場合に1ヵ月とみなす)ある
- 有期雇用契約で働いている労働者の場合は、前述の条件をすべて満たすことに加えて、育児休業を開始した時点で、引き続き雇用された期間が1年以上であり、かつ、子が1歳6ヵ月に達する日までにその労働契約が満了することが明らかでないこと
なお、2023年4月1日以降は、「引き続き雇用された期間が1年以上」の要件は撤廃されます。
育児休業給付金の支給額
育児休業給付金の支給額は、休業開始時の賃金に一定の割合を乗じて計算します。具体的な計算方法は以下の通りです。
- 育児休業開始日から6ヶ月間:休業開始時賃金日額×支給日数×67%
- 育児休業開始日から6ヶ月経過後:休業開始時賃金日額×支給日数×50%
休業開始時賃金日額とは、育児休業開始前6ヵ月間の賃金を180で割った額です。
支給日数とは、原則として1ヵ月あたり30日(休業終了する月は終了日までの日数)です。
ただし、賃金月額の上限額は45万600円、下限額は7万7,310円です。賃金日額×支給日数が上限および下限の範囲を上回る(あるいは下回る)場合は、上限(あるいは下限)の金額となります。
育児休業給付金の支給期間
育児休業給付金は、原則として養育している子が1歳となる日の前日(民法の規定では誕生日の前日に満年齢に達するとみなされるため、実際には1歳の誕生日の前々日)まで支給されます。
ただし、以下のようなケースに該当する場合は、子が1歳6ヵ月になるまで育休期間が延長されると共に、育児休業給付金の支給期間も延長されます。
- 保育所に申込みを済ませたが、待機児童などの問題でその子が1歳になっても保育所への入所ができない場合
- 子の主たる養育者が死亡したとき
- 子の主たる養育者が負傷、疾病または身体上・精神上の障害によって子の養育が困難な状態に陥ったとき
- 離婚などの事情によって配偶者が子と同居しないことになったとき
- 6週間(双子など多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産する予定であるか、または産後8週間を経過しないとき(産前産後休暇)
また、上記の要件に該当しない場合でも、「パパ・ママ育休プラス」の制度を利用すれば、子が1歳2ヵ月になるまで育休を取得し、かつ育児休業給付金を受け取ることができます。
さらに、2023年6月に育児・介護休業法が改正され、さらに育児休業を柔軟に取得できるようになりました。
これまでは原則分割できなかった育児休業を、2回に分けて取れるようになったり、1歳以降に延長する場合の育休開始日を柔軟に設定できるようになったりします。
また、「パパ休暇」が形を変え、「産後パパ育休」として産後8週間以内に2回に分けて取得できる制度も新設されました。
これらの制度を利用すれば、夫婦で共に育児できる環境が整いますね。もちろん育児休業給付金も受け取れます。
第3章:育児休業給付金が80%に引き上げられる可能性がある!そのメリットと注意点
育児休業給付金とは、育児休業を取得した労働者に対して、国から支払われるお金のことです。
育児休業とは、子供が1歳6ヶ月になるまで(障害がある場合は3歳まで)取得できる休みのことです。
育児休業中は、雇用保険から育児休業給付金が支払われます。このお金は、育児休業中にもらえるお給料が減ってしまうのを補うためのものです。
現在は、育児休業開始日から6ヶ月間は前給与の67%、6ヶ月経過後は50%が支払われます。
前給与とは、育休を取得する1ヶ月〜3ヶ月前に受け取っていたお給料のことです。
しかし、2023年4月からは、この支払われるお金の割合が最大80%まで引き上げられる可能性があります。
この記事では、この見直し案の内容や背景、メリットや注意点などを詳しく解説します。
育児休業給付金の支払われるお金の割合引き上げ案とその背景
政府は2023年3月に会見を行い、育児休業給付制度において、男女で育休を取得した場合のお金として前給与(※1)の 80% を支払うように制度を改正する見通しであることを発表しました。
現在の支払われるお金の割合は前給与の50~67%ですが、80%に引き上げられることによって、育児休業中に受け取るお金は非課税であり、社会保険料も免除されるため、手取り収入として実質給料の全額を得ることが可能となります。
この見直し案の背景には、以下のような理由があります。
- 男女共同参画社会の実現:政府は2030年までに男性の育児休業取得率を30%以上にする目標を掲げています。
しかし、現状では男性の取得率は7.48%(2021年)と低く、収入減少や職場への配慮などがハードルとなっています。
支払われるお金の割合を80%に引き上げれば、男性も育児休業を取りやすくなり、夫婦で共に育児できる環境が整うと考えられます。 - 少子化対策の推進:日本の出生率は1.34(2020年)と低下傾向にあり、少子化問題が深刻化しています。
政府は2030年までに出生率を1. 8に引き上げる目標を掲げています。しかし、現状では経済的な不安や職場復帰の不安などが子育ての障害となっています。
支払われるお金の割合を80%に引き上げれば、経済的な負担やキャリアの断絶を心配せずに育児休業を取れるようになり、子どもを産み育てやすい社会になると考えられます。
※1:前給与とは、育休を取得する1ヶ月〜3ヶ月前に受け取っていた給与のことであり「育児休業開始前賃金」とも呼ばれる
育児休業給付金の支払われるお金の割合引き上げ案のメリット
育児休業給付金の支払われるお金の割合が80%に引き上げられると、以下のようなメリットがあります。
- 収入減少の心配がなくなる:支払われるお金の割合が80%になれば、手取り収入として実質給料の全額を受け取ることができます。
これは、育児休業中に受け取るお金は非課税であり、社会保険料も免除されるためです。
つまり、育児休業中でも生活水準を維持できるようになります。 - 育児休業の取得がしやすくなる:支払われるお金の割合が80%になれば、収入減少や職場への配慮などが育児休業のハードルとなっていた人も、安心して取得できるようになります。
特に男性は、家庭や職場の理解が得られづらいことやキャリアアップへの影響を懸念していることが多いため、支払われるお金の割合の引き上げは大きなインセンティブとなります。 - 夫婦で共に育児できるようになる:支払われるお金の割合が80%になれば、夫婦で同時に育児休業を取得することも可能です。
これは、「パパ・ママ育休プラス」制度を利用することで実現できます。
「パパ・ママ育休プラス」制度とは、夫婦が同時に育児休業を取得する場合は、子どもが1歳2ヶ月まで育児休業期間を延長できる制度です。
この制度を利用すれば、夫婦で共に子どもと過ごす時間が増えます。
育児休業給付金の支払われるお金の割合引き上げ案の注意点
育児休業給付金の支払われるお金の割合が80%に引き上げられると、以下のような注意点もあります。
- 支払われるお金には上限がある:支払われるお金の割合が80%になっても、支払われるお金には上限があります。上限とは、もらえるお金の最大額です。
- 上限は、自分のお給料や休業期間などによって変わります。
具体的な上限については、[こちら]の表を見てください。
この表を見ると、支払われるお金の割合が80%になった場合でも、上限が低い場合は、もらえるお金が少なくなる可能性があることが分かります。
そのため、自分のもらえるお金をシミュレーションするときは、上限も考慮する必要があります。 - まだ正式に決まったわけではない:支払われるお金の割合が80%に引き上げられる可能性があるというのは、政府や国会が提案したものであり、まだ正式に決定されたものではありません。
今後の政治や社会の動向によっては、変更される可能性もあります。
そのため、この見直し案に頼りすぎず、自分の状況や計画に応じて育児休業を取得することが大切です。
まとめ
この記事では、育児休業給付金について、以下の内容を紹介しました。
- 育児休業給付金とは、育児休業を取得した労働者に対して、国から支払われるお金のことです。
- 育児休業給付金を受け取れるのは、1歳未満の子供を養育するために育児休業を取得する労働者であり、雇用保険に加入していて、一定の被保険者期間がある人です。
- 育児休業給付金の支給額は、休業開始時の賃金に一定の割合を乗じて計算されます。
現在は、育児休業開始日から6ヶ月間は前給与の67%、6ヶ月経過後は50%が支給されます。 - 育児休業給付金の支給期間は、原則として養育している子が1歳になる日の前日までです。
ただし、保育所に入れなかったり、配偶者が死亡したりした場合などは、子が1歳6ヶ月になるまで延長されます。 - 2023年4月からは、育児休業給付金の支給率が最大80%まで引き上げられる可能性があります。
これは、男女共同参画社会の実現や少子化対策の推進のために政府や国会が提案したものです。
しかし、この見直し案はまだ正式に決まったわけではなく、今後変更される可能性もあります。 - 支給率が80%に引き上げられる場合でも、支給額には上限があります。
上限は、自分のお給料や休業期間などによって変わります。
最後に、この記事を読んでくださった皆さまに感謝します。
育児休業を取得する予定の方や興味のある方は、「育児休業給付金シミュレーター」をぜひ利用してみてください。
自分の受給額や支給期間を簡単に計算できます。
また、2023年4月からの見直し案についても、最新の情報をチェックしてください。
育児休業給付金は、子育てをする皆さまの大きな支えとなる制度です。ぜひ活用して、快適な育児ライフを送ってください。
私自身も、子の父であり、妻の育児休業給付金を受けて、助かりました。
皆さんも使える制度は使って、大切なお子様を、大事に育ててあげてください。
ですが親だからといって、無理は禁物です。
親に余裕がないと、子どもに優しい子育ても難しいですよね。
親も無理せず、できる限り楽しい子育てを目指して、一緒に頑張りましょう。
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