自分にもしものことがあった時に、家族に迷惑や苦労をかけたくない。
残された家族のために、少しでも多くのものを残したい。
相続税対策を知りたい。
そんな悩みをお持ちの方に、解決のための提案と解説をします。
まだ生きている今のうちに、自分のお墓を準備しておきたい。
生前にお墓を建てるのは相続税対策になると聞いた。
そんな方のために、生前にお墓を購入して、相続税対策をするメリットや注意点を解説していきます。
私は自分が「がん」になり、病気の治療と休職で、お金の大切さを身に染みて知りました。
そんな私は現在、闘病しながらFP(ファイナンシャルプランナー)の国家資格に合格し、日本FP協会認定AFPとして活動しています。
残される家族のために、何かをしたいという気持ちは、私も痛いほどよく分かります。
ファイナンシャルプランナーの私と一緒に、知識を身につけて、大切な人のために行動していきましょう。
まだ生きているけど、もしもの時のために、お墓が心配な方はお読みください。
生前にお墓を購入するのは相続税対策になる
お墓や墓地を生前に購入すると、相続税対策になるってどういうこと?
そんな風に考える方のためにお答えします。
答えは、お墓や墓地などは祭祀財産と呼ばれ、相続税の非課税財産(相続税がかからない財産)とされているので、相続税対策になるという意味です。
詳しく解説していきます。
相続税関連記事リンク→生前贈与不要?相続税が無税で済む金額を知らないと損をする【FP監修】
祭祀財産とは
祭祀財産とは、神仏や先祖を祀るためのもので、相続財産とは区別されます。
民法によると、祭祀財産の種類は以下の3つです。
- 系譜:家系図や家系譜など、血縁関係を記した図表
- 祭具:仏像や神棚など、儀式に使う道具
- 墳墓:墓石や埋棺など、遺体や遺骨を納める場所
お墓を購入する時は、墓石や墓牌の代金や工事費用だけではなく、墓地使用料・管理費などが発生しますが、これらは全て祭祀財産に含まれます。
祭祀財産は一般的には相続人全員が共有するものではなく、特定の承継者(相続する人)が引き継ぎます。
承継者の決め方やトラブル防止のためには、事前に家族間で話し合っておくことが大切です。
お墓の生前購入をして相続税対策
お墓を生前購入するとなぜ相続税対策になるのでしょうか。
生前に購入した墓地や墓石は、相続税の非課税財産になるので相続税がかかりません。
自分の財産で墓地やお墓を購入しておけば、相続額の総額が減って相続税が減るので、相続税対策になります。
自分が亡くなってしまった後に、相続開始してから墓地やお墓を購入しても、それは相続税から控除(引くこと)ができません。
自分が生前にお墓を購入しておけば、相続税の節税になりますが、亡くなった後に家族がお墓を購入しても、節税効果がないということになります。
少しでも家族に多くのものを残したい方は、実行しておきましょう。
次に、生前にお墓を購入するメリットと注意点を解説していきます。
生前にお墓を購入するメリット3選
生前にお墓を購入するメリットを3つ紹介します。
- 自分の希望する場所にお墓を建てられる。
- 自分が亡くなった後の名義変更も非課税
- 相続放棄をしても祭祀財産であるお墓は相続できる
生前購入したお墓が非課税のため、相続税の節税になること以外にも、上記のようなメリットがあります。
次から詳しく解説していきます。
関連記事リンク→墓地探しの際に見逃せない5つのポイントと5つの注意点
自分の希望する場所にお墓を建てることができる
生前に自分でお墓を購入するということは、自分の希望する場所や墓石でお墓を購入できるということです。
人はもちろん亡くなった後では自分で選べません。
この地域が好きだといった理由や、この色や形の石が好きだという理由でもかまいません。
残された家族がお墓参りがしやすいように、アクセスしやすい場所にお墓を作るのも良いと思います。
自分の希望も話して、家族と相談して決めましょう。
勝手に一人で決めてしまってはトラブルに成る可能性があります。
生前墓は縁起が良いとも言われていますが、最終的には自分や家族の気持ちが一番大切です。
注意事項としては、人気の墓地の場所はすぐに埋まってしまいます。
見学や相談などは無料でできますので、気軽に一度足を運んでみるのをおすすめします。
自分が亡くなった後のお墓の名義変更も非課税
お墓や墓地は相続税の非課税財産です。
生前に購入したお墓や墓地を、特定の1人が継承(相続)した場合、名義変更が必要となります。
名義変更にかかる費用は、だいたい数百円~1万円程度ですが、この費用も相続税の非課税対象です。
墓地は土地を購入するわけではありません。
お墓の使用権を購入するだけなので、固定資産税などもかからないのです。
それ以外にも、葬式費用や納骨堂の使用料などは、最初から相続税の遺産総額から控除できるものとして認められています。
相続放棄をしても祭祀財産であるお墓は相続できる
お墓や墓地は、相続財産とは別に扱われる「祭祀財産」という非課税のものです。
相続放棄をした場合でも、お墓や墓地は引き継ぐことができます。
お墓を相続する人は、法定相続人である必要はなく、被相続人(相続財産をあげる人)の意思や家族間の話し合いで決められます。
相続放棄とは、財産を相続する権利を放棄することですが、お墓などは祭祀財産として最初から非課税なので相続財産に含まれません。
そのため、相続放棄を申し出た人でも関係なく相続することができます。
生前に相続税対策としてお墓を購入する時の注意点3選
相続税対策として祭祀財産であるお墓などを購入する時の注意点があります。
注意しないとせっかくの相続税対策が、非課税財産として認められず、相続税の課税対象となってしまうことがあります。
相続税対策で祭祀財産を購入する場合の注意点3選
- 祭祀財産は生前に現金で一括購入。ローンで購入して亡くなった時に未払がある時は、債務控除にならず、相続税対策になりません。
- 高額すぎる墓石や彫刻の場合は投資対象として非課税にならない場合があります。
- ペット専用墓地の場合は非課税対象になりません。
以下に詳しく解説していきます。
祭祀財産購入代金は生前に支払い終わっていること
生前に墓地を買って相続し、相続税対策をしようとした時に、墓地や墓石代の未払がないようにしてください。
未払のローンがある祭祀財産は非課税対象になりません。
生前に墓地や墓石を購入する場合は、ローンなどを組まず、預貯金などの資産から支払ってください。
もしローンを組んで、支払途中に被相続人(相続財産をあげる人)が亡くなってしまった場合などに、未払がある墓石などは非課税対象になりません。
一括で支払えないという方は他の相続税対策を検討してください。
参考記事リンク→生前贈与で損をしないための対策6選!非課税金額解説【FP監修】
高額すぎる墓石や彫刻の場合は投資対象として非課税にならない
相続税の非課税対象となる祭祀財産に、上限額はありません。
しかし、社会通念上著しく高額な祭祀財産は、非課税財産とみなされず、相続税の課税対象になってしまう時があります。
高価な宝石の付いた仏像や、純金の仏具などの祭祀財産、高価な石を使ったり、美術的価値の高い彫刻を使った墓石などです。
この様な投資対象になり得るものや、骨董的価値のあるものは、祭祀財産とは認定されず、相続税の課税対象にされてしまう可能性があります。
祭祀財産なら、何でも非課税になる訳ではないのでご注意ください。
ペット専用墓地の場合は非課税対象外
大切な家族でありパートナーであるペットのお墓は、相続税で非課税になるのかというと、ペット専用のお墓は非課税になりません。
法律上は大切なペットも「物」扱いされてしまいます。
そのために人間のお墓のように相続税非課税対象にならず、課税されてしまうのです。
人間とペットが同じお墓に入っている時は、人間のお墓でもありますので、相続税非課税になります。
生前にお墓を購入して相続税対策のメリットと注意点まとめ
生前にお墓を購入して相続税対策を考えている方へのメリットと注意点をまとめます。
生前のお墓購入が相続税対策になる理由
- お墓や墓地などは祭祀財産と呼ばれ、相続税の非課税財産(相続税がかからない財産)
- 祭祀財産は一般的には相続人全員が共有するものではなく、特定の承継者(相続する人)が引き継ぐ
- 自分の財産で墓地やお墓を購入しておけば、相続額の総額が減って相続税が減るので、相続税対策になる
生前お墓購入のメリット
- 自分の希望する場所にお墓を建てられる。
- 自分が亡くなった後の名義変更も非課税
- 相続放棄をしても祭祀財産であるお墓は相続できる
生前お墓購入の注意点
- 祭祀財産は生前に現金で一括購入。ローンで購入して亡くなった時に未払がある時は、債務控除にならず、相続税対策にならない。
- 高額すぎる墓石や彫刻の場合は投資対象として非課税にならない場合がある。
- ペット専用墓地の場合は非課税対象にならない。
詳細は各記事をご覧ください。
生前にお墓を購入することのメリットや注意点が理解できたなら、次は実際に動きだしましょう。
人の時間には限りがあります。
私は病院にもほとんど行く必要もなく、病気で会社を休むこともなかったので、自分が健康だと思っていました。
しかし、40代で突然、血液のがんになりました。
人生はいつまで時間があるのか誰にもわかりません。
大切な人のことを思うなら、今すぐ行動しましょう。
いつかやろうと先延ばしにしていると、突然思いもしないことが訪れて、できないかもしれません。
動き出して最初の一歩を踏み出せば、次へ進めます。
自分と大切な人のために、行動を起こしましょう。
お墓探しの記事詳細リンク→【がん経験FP監修】生前にお墓探しをする時の人気サイト3選
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