失業は誰にでも起こり得ることです。
失業したら、生活費や家賃、ローンなどの支払いに困ってしまいますよね。
でも、安心してください。失業した人には、国からお金がもらえる制度があります。
それが失業保険です。失業保険は、雇用保険に加入していた人が失業した場合に、一定期間、毎月お金をもらえる制度です。
この記事では、失業保険の受給条件や給付金額、申請方法などをわかりやすく解説します。
また、失業保険だけでは足りない場合や、もっとお金を稼ぎたい場合に役立つ方法も紹介します。例えば、副業や資格取得、転職活動などです。
これらの方法を実践すれば、失業中でも収入を確保することができます。失業中でも安心して生活できるようになりましょう。
この記事の監修は、自身もがん経験者の日本FP協会認定AFPであるファイナンシャルプランナーが監修しております。
最後まで安心してお読みください。
失業保険とは
失業保険とは、仕事を失った人にお金を支払う制度です。
失業保険に加入していた人が、自分の意思でなく仕事を辞めた場合や、自分の意思で仕事を辞めた場合でも一定の条件を満たした場合に、一定期間、毎月お金をもらえます。
このお金を給付金と言います。
失業保険に加入するには、雇用保険という制度に参加する必要があります。
雇用保険とは、会社や工場などで働く人が、仕事を失ったり、病気やけがで働けなくなったりした場合に、お金やサービスを提供する制度です。
雇用保険には、失業保険のほかにも、就職促進給付や職業訓練給付などの種類があります。
雇用保険に加入すると、毎月一定の金額を保険料として支払う必要があります。
保険料は、会社や工場などの事業主と働く人の被保険者が半分ずつ負担します。
例えば、あなたが月給20万円で働いている場合、雇用保険料は0.6%×20万円=1,200円です。
このうち600円はあなたが支払い、600円はあなたの会社が支払います。
失業保険の受給条件
失業保険の給付金を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。
- 雇用保険に加入していたこと
- 仕事を辞めたこと
- 仕事を辞める前に一定期間働いていたこと
- 仕事を探していること
- 仕事が見つかる可能性があること
- 仕事が見つかったらすぐに働ける状態であること
これらの条件を満たす人は、受給資格者と言います。
受給資格者は、仕事を辞めた日から2週間以内に最寄りのハローワーク(公共職業安定所)に行って、失業保険の申請をする必要があります。
ハローワークでは、あなたの情報や状況を確認し、失業保険の給付金がもらえるかどうかを判断します。
もらえる場合は、受給者証というカードを発行します。
失業保険の給付金額
失業保険の給付金額は、以下の要素によって決まります。
- 賃金日額
- 賃金日額とは、退職前の6ヶ月間の給与総額を180で割ったものです。例えば、退職前の6ヶ月間の給与総額が300万円だった場合、賃金日額は300万円÷180=16,667円となります。
- 給付率
- 給付率とは、年齢や雇用保険加入期間に応じて決められた割合です。最低50%、最高80%です。例えば、40歳で雇用保険加入期間が5年以上10年未満の場合、給付率は60%となります。
- 上限額と下限額
- 上限額と下限額とは、賃金日額に設定された最高額と最低額です。上限額は年齢によって異なり、2022年8月1日からは30歳未満で6,835円、30歳以上45歳未満で7,595円、45歳以上60歳未満で8,355円、60歳以上65歳未満で7,177円、65歳以上で6,835円となっています。下限額は全年齢共通で2,657円です。
これらの要素を使って、失業保険の給付金額を計算することができます。例えば、40歳で月給20万円の人が自己都合で退職した場合、失業保険の給付金額は以下のようになります。
- 賃金日額 = 20万円×6ヶ月÷180 = 6万6670円
- 給付率 = 60%(40歳で雇用保険加入期間が5年以上10年未満の場合)
- 上限額 = 7,595円(30歳以上45歳未満の場合)
- 下限額 = 2,657円(全年齢共通)
この場合、賃金日額は上限額を超えているので、上限額になります。
したがって、失業保険の給付金額は7,595円×60%=4,557円となります。
失業保険の給付金は、基本的に月28日分(月額手当)もらえます。
ただし、以下のような場合はもらえる日数が変わります。
- 受給期間
- 受給期間とは、失業保険の給付金をもらえる期間です。受給期間は、年齢や雇用保険加入期間に応じて決められます。最短90日、最長330日です。例えば、40歳で雇用保険に5年以上10年未満加入していた人は、受給期間が180日です。
- 受給期間は、失業保険の申請日から始まります。申請日は、ハローワークに失業の届出をした日です。受給期間中に新しい仕事に就いたり、副業の収入が増えたりした場合は、受給期間が短くなることがあります。
- 受給期間が終わると、失業保険の給付金はもらえなくなります。しかし、特別な理由がある場合は、受給期間を延長することができます。例えば、以下のような場合です。
- 65歳以上であること
- 障害者であること
- 育児や介護などの理由で就職が困難であること
- 災害や事故などの理由で就職が困難であること
- 職業訓練や資格取得などの理由で就職が困難であること
- これらの場合は、ハローワークに相談して、受給期間の延長を申請する必要があります。
以上が受給期間についての説明です。
受給期間は、失業保険のもらえる期間を決める重要な要素です。
自分の受給期間を知りたい場合は、[失業保険シミュレーター]を使ってみましょう。
失業中にお金を稼ぐ方法
失業保険をもらっていても、生活費や家賃、ローンなどの支払いに困ることがあります。また、失業保険は一定期間しかもらえません。その期間は最長で330日です。失業保険が切れたらどうするのでしょうか?
そこで、失業中でもお金を稼ぐ方法を紹介します。お金を稼ぐ方法は以下の3つです。
- 副業
- 資格取得
- 転職活動
これらの方法を実践すれば、失業中でも収入を確保することができます。それでは、それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
副業
副業とは、本業以外に行う仕事のことです。
失業中でも副業をすることは可能ですが、注意しなければならないことがあります。
それは、失業保険の受給条件に影響することです。
失業保険をもらうためには、新しい仕事を探していることが条件です。
しかし、副業をしている場合は、新しい仕事を探していないと見なされる可能性があります。
その場合は、失業保険の給付が停止されたり、返還されたりすることがあります。
そうならないためには、以下のような対策が必要です。
- ハローワークに副業をしていることを申告すること
- 副業の収入が月額20万円以下であること
- 副業の時間が週20時間以下であること
- 副業が本業に影響しないようにすること
- 副業の内容が本業と同じでないこと
これらの条件を満たしていれば、副業をしながら失業保険をもらうことができます。
副業で稼げる金額は様々ですが、平均的には月々約5万円程度と言われています。
副業にはさまざまな種類がありますが、失業中におすすめなのは以下のようなものです。
- インターネットでできる副業
- インターネットでできる副業とは、パソコンやスマートフォンを使って行う仕事のことです。例えば、ブログやYouTubeなどのコンテンツ作成や、アンケートやモニターなどの調査参加や、ライティングやデザインなどのクラウドソーシングなどがあります。
- インターネットでできる副業のメリットは以下のとおりです。
- 自宅や好きな場所でできること
- 自分の好きな時間やペースでできること
- 初期投資やスキルが必要なくてもできること
- 収入源や知識・経験が増えること
- インターネットでできる副業のデメリットは以下のとおりです。
- 収入が安定しないこと
- 税金や保険などの手続きが面倒なこと
- 詐欺やトラブルに注意しなければならないこと
- モチベーションや管理能力が必要なこと
- スキルを活かした副業
- スキルを活かした副業とは、自分が持っている知識や技能を使って行う仕事のことです。例えば、英語やプログラミングなどの語学やITスキルや、経理や秘書などのビジネススキルや、教育や介護などの専門スキルなどがあります。
- スキルを活かした副業のメリットは以下のとおりです。
- 自分の得意分野でできること
- 高単価で稼げる可能性があること
- スキルを磨くことができること
- 新しい仕事につながる可能性があること
- スキルを活かした副業のデメリットは以下のとおりです。
- スキルが必要なこと
- 競争が激しいこと
- 品質や納期に責任を持たなければならないこと
- 契約や請求などの管理が必要なこと
- 趣味や特技を活かした副業
- 趣味や特技を活かした副業とは、自分が楽しんでいることや得意なことを使って行う仕事のことです。例えば、写真やイラストなどの作品販売や、料理やハンドメイドなどの教室開催や、ペットや子供などのシッターや、ゲームや音楽などのレビューや解説などがあります。
- 趣味や特技を活かした副業のメリットは以下のとおりです。
- 楽しみながらできること
- 自分の個性やセンスを発揮できること
- 同じ趣味や特技を持つ人と交流できること
- ファンや信頼を得られる可能性があること
- 趣味や特技を活かした副業のデメリットは以下のとおりです。
- 収入が安定しないこと
- 趣味や特技が仕事になってしまうこと
- 権利や規約に注意しなければならないこと
- 批判や苦情に対応しなければならないこと
以上が失業中にお金を稼ぐ方法です。
これらの方法は、失業保険だけでは足りない場合や、もっとお金を稼ぎたい場合に役立ちます。
しかし、副業をする場合は、失業保険の受給条件に影響しないように注意する必要があります。
また、副業にもメリットとデメリットがあります。
自分に合った副業を選びましょう。
資格取得
資格取得とは、自分の知識や技能を証明するために、国や団体などが発行する証明書や免許を取得することです。
資格取得には、さまざまなメリットがあります。例えば、以下のようなものです。
- 新しい仕事に就くために必要な資格を取得できること
- 現在の仕事でスキルアップや昇進のチャンスを得られること
- 自分の専門性や信頼性を高められること
- 自分の興味や趣味を深められること
失業中に資格取得をすることは、有意義な時間の使い方です。しかし、資格取得には、以下のようなデメリットもあります。
- 資格取得にかかる費用や時間が多いこと
- 資格取得後に仕事が見つからない可能性があること
- 資格取得後に仕事が続かない可能性があること
- 資格取得後にスキルを維持するために努力が必要なこと
そうならないためには、以下のような対策が必要です。
- 自分の目的や能力に合った資格を選ぶこと
- 資格取得にかかる費用や時間を計画的に管理すること
- 資格取得後に仕事を探すための準備やネットワークを作ること
- 資格取得後にスキルを更新や向上させるための学習を続けること
資格取得で稼げる金額は様々ですが、平均的には月々約10万円程度と言われています。
資格取得にはさまざまな種類がありますが、失業中におすすめなのは以下のようなものです。
- 需要が高くて安定した資格
- 需要が高くて安定した資格とは、社会的に必要とされていて、常に仕事があるような資格のことです。例えば、医師や看護師、弁護士や会計士、教員や公務員などがあります。
- 需要が高くて安定した資格のメリットは以下のとおりです。
- 高収入で稼げる可能性があること
- 就職や転職のチャンスが多いこと
- 社会的な地位や評価が高いこと
- 需要が高くて安定した資格のデメリットは以下のとおりです。
- 取得するための費用や時間が多いこと
- 取得するための難易度や競争率が高いこと
- 取得後に責任やプレッシャーが大きいこと
- 需要が増えている資格
- 需要が増えている資格とは、社会的な変化やニーズに応じて、今後ますます仕事が増えそうな資格のことです。例えば、IT関連や環境関連、健康関連や介護関連などがあります。
- 需要が増えている資格のメリットは以下のとおりです。
- 新しい分野や市場に参入できること
- 将来性や成長性が高いこと
- 独立や起業のチャンスがあること
- 需要が増えている資格のデメリットは以下のとおりです。
- 取得するための費用や時間が多いこと
- 取得するためのスキルや知識が高度なこと
- 取得後に変化や更新に対応しなければならないこと
- 需要が少なくても楽しめる資格
- 需要が少なくても楽しめる資格とは、社会的に必要とされていなくても、自分の興味や趣味に関する資格のことです。例えば、料理やケーキ、ワインやコーヒー、フラワーやペットなどがあります。
- 需要が少なくても楽しめる資格のメリットは以下のとおりです。
- 楽しみながら学べること
- 需要が少ない資格は、一般的にはあまり役に立たないと思われがちですが、それだからこそ自分の興味や好みに合わせて学ぶことができます。例えば、[日本酒ソムリエ]や[チョコレートアドバイザー]などの資格は、日本酒やチョコレートに関する知識や歴史を楽しく学ぶことができます。また、[手話検定]や[国際交流員]などの資格は、異なる文化やコミュニケーション方法を学ぶことができます。これらの資格は、自分の趣味や特技を深めることにも役立ちます。
- 自分の個性やセンスを発揮できること
- 需要が少ない資格は、一般的にはあまり知られていないか、あるいは珍しいものです。それだからこそ、自分が持っていることで他人と差別化することができます。例えば、[風水師]や[パーソナルカラーアナリスト]などの資格は、自分のセンスや感性を活かして人々の暮らしやファッションをアドバイスすることができます。また、[ペットマッサージ師]や[犬のしつけインストラクター]などの資格は、自分の愛情やスキルを活かして動物たちの健康や幸せをサポートすることができます。これらの資格は、自分の個性や魅力をアピールすることにも役立ちます。
- 同じ趣味や特技を持つ人と交流できること
- 需要が少ない資格は、一般的にはあまり人気がないか、あるいはマニアックなものです。それだからこそ、同じ資格を持つ人や興味を持つ人と繋がりやすくなります。例えば、[ヨガインストラクター]や[アロマテラピー検定]などの資格は、ヨガやアロマテラピーに関するイベントやセミナーに参加することで仲間を作ることができます。また、[漢字検定]や[書道検定]などの資格は、漢字や書道に関するサークルやコミュニティに参加することで交流を深めることができます。これらの資格は、自分の社会的なつながりを広げることにも役立ちます。
以上が需要が少なくても楽しめる資格のメリットです。これらのメリットを考えれば、需要が少ない資格も無駄ではありません。むしろ、自分の人生を豊かにするために有効活用することができます。失業中でも資格取得に挑戦してみましょう。
- 需要が少ない資格は、一般的にはあまり人気がないか、あるいはマニアックなものです。それだからこそ、同じ資格を持つ人や興味を持つ人と繋がりやすくなります。例えば、[ヨガインストラクター]や[アロマテラピー検定]などの資格は、ヨガやアロマテラピーに関するイベントやセミナーに参加することで仲間を作ることができます。また、[漢字検定]や[書道検定]などの資格は、漢字や書道に関するサークルやコミュニティに参加することで交流を深めることができます。これらの資格は、自分の社会的なつながりを広げることにも役立ちます。
転職活動
転職活動とは、新しい仕事を探すことです。
失業中でも転職活動をすることは可能ですが、注意しなければならないことがあります。
それは、失業保険の受給条件や手続きに関することです。
失業保険とは、雇用保険の一種で、会社を退職した後に一定の条件を満たせば、再就職するまでの間に手当を受けることができる制度です。
失業保険を受けるためには、以下の3つの条件が必要です。
- 失業状態であること
- 退職日以前の2年間(特定受給資格者や特定理由離職者は1年間)に雇用保険加入期間が通算12カ月以上(特定受給資格者や特定理由離職者は6カ月以上)あること
- ハローワークに求職の申し込みをしていること
失業保険の受給期間は、退職理由や年齢、雇用保険加入期間などによって異なりますが、最低90日から最高360日までです。
ただし、自己都合退職の場合は、受給開始までに3カ月間の給付制限期間があります。
失業保険を受給しながら転職活動をする場合は、以下の点に注意しましょう。
- 転職先が決まったら、入社する前日(土日を挟む場合は金曜日)までにハローワークに就職の申告をすること2。このとき、採用証明書などを提出する必要があります。
- 転職先が決まった場合は、失業保険の給付は打ち切られますが、一定の条件を満たせば、再就職手当や就業促進定着手当などの手当を受けることができます。詳細はハローワークに確認しましょう。
- 失業保険を受給しながらアルバイトやパートなどの副業をする場合は、副業の収入が一定額を超えると、失業保険の給付が減額されたり停止されたりする可能性があります。副業をする場合はハローワークに申告しましょう。
転職活動中にお金が足りなくなった場合は、失業保険以外にも以下のような支援制度があります。
- 生活保護:生活費や医療費などを国や自治体から支給される制度。所得や資産などの基準を満たす必要がある。
- 給付型奨学金:学校へ通うために必要な費用を国から支給される制度。学力や所得などの基準を満たす必要がある。
- 住宅支援:住宅費や引越し費用などを国や自治体から支給される制度。住宅事情や所得などの基準を満たす必要がある。
転職活動は、自分のキャリアや働き方を見直し、より良い環境で働くためのチャンスです。
しかし、失業中は収入が減ったり不安が増したりすることもあります。
そのため、失業保険やその他の支援制度を上手に活用しながら、効率的かつ効果的な転職活動を行いましょう。
まとめ
- 失業保険を受給する条件と注意点
- 失業保険は、離職理由や加入期間、年齢などによって受給できる日数や金額が異なります。
- 失業保険を受給するためには、ハローワークに離職票を提出し、求職活動の状況を報告する必要があります。
- 失業保険を受給しながら副業をする場合は、副業の収入が一定額を超えると、失業保険の給付が減額されたり停止されたりする可能性があります。
- 失業保険と両立できる副業の種類とメリット
- 失業保険と両立できる副業は、在宅ワークやインターネットビジネスなど、自分の時間や場所を自由に決められるものがおすすめです。
- 副業のメリットは、収入源を増やすことはもちろん、スキルアップや自己実現、人脈作りなどが挙げられます。
- 副業で成功するためのコツと注意点
- 副業で成功するためには、自分に合った副業を選び、目標や計画を立てて、コツコツと継続することが大切です。
- 副業に関する注意点は、税金や社会保険の申告や支払い、副業がバレないように配慮することなどがあります。
失業保険と副業の両立は、難しくないということがわかりましたね。
失業中にも自分の力で収入を得ることは、経済的にも精神的にも安心できることでしょう。
また、副業を通して新しいスキルや知識、人脈を得ることは、将来の就職活動やキャリアアップにも役立つことでしょう。
失業保険と副業の両立は、単なる収入源ではなく、自分の可能性を広げるチャンスでもあります。
ぜひこの記事を参考にして、自分に合った副業を見つけてみてください。失業保険と副業の両立を応援しています。
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